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ダム日記5(本当の川)←  1995年 2月 23日  →ダム日記7(治水の誤算)

∞∞ダム日記6(ダムはクリーンか?)∞∞

2月23日
今日も一日お疲れ様でした。「ダム日記」ダムで検索できます。末永く宜し
く。

<<なぜダムがクリーンではないか>>

昨日白状した、私自身がかつて持っていたダムに対する間違ったイメージに
対して反論するという形で、今日はお話しをしようと思います。
それは、ダムは「環境を汚さない。タービンを回す間、川から水を借りてそ
れを元に戻す。何とも安全で、安価で、再利用が利く。空気も汚さない。廃
棄物もでない。公害も起きない」という、ものでした。

「環境を汚さない」か? 間違っています。
水は流れている内は、生きていますが、流れが止れば、死んで腐ります。
ダムを作って水をせき止める、ということは、山や森から湧きだして生き生
きと生きていた水を殺すことになります。殺された水は腐って濁ります。水
が腐れば「空気も汚れない」わけがない。これは立派な(という表現はどこ
か変ですが...)汚染です。

「公害も起きない」もですから間違い。
この濁った水が、ダムから放流されます。当然、川も濁ります。清流でしか
生きることのできない魚が死んでしまうのは皆さん知っての通りです。

もう一つ、忘れてはいけない点があります。温度です。ダムは川よりウンと
深い。底の方から放流される水は、とてつもなく冷たい。その川の昔からの
温度に順応していた魚が死にます。
温度に敏感なすべての生命体にとって「安全」ではない。(ダム洪水という、
人間にとっても危ない話しはまた後日)

水と一緒に、ダムの底に溜まったヘドロも出てくる。ヘドロはダムの廃棄物。
だから「廃棄物もでない」も間違え。
それで、放水口を上の方に取付けるようにした。今度は一年中暖か過ぎる。
それで、放水口を上下調節可能にした。これでは水温の激変が起きるので、
意味がない。どうやったって自然のまねなど人間にはできない。小手先の技
術で太刀打ちなどできないのです。

魚道も同じこと。
建設省が打ち出した「魚がのぼりやすい川つくり推進モデル事業」というの
をニュースか何かで耳にしたことのある方はいるでしょう。
川に魚道を作って魚がのぼれるように、というこれまた小手先のごまかし。

何故か。
のぼったが最後、下りてこれない川だらけだからだ。一度お話ししたように、
ダムがかかっていない川は、日本に2本だけ。2本を除いては、途中までの
ぼって「ハイ、オシマイ」の川か、あるいはこれから造るダムに「環境に優
しい」と言って、大金をゼネコンに払って(「安価」でない)ら旋階段式で、
グルグル、ダムの高さをのぼる魚道を造っても、降りてこれないのだ。

何故か。
海へ旅をする魚は、上流で孵化してから限られた時間の間に、海水まで辿り
着かないと死んでしまうことが今では知られている。鮎は50から100時間だそ
うだ。稚魚は泳ぐ力が弱い。ほとんどない。川に流されてやっと辿りつくの
だ。だが、ダムの水は勢いよく流れない。ダムでプカプカ漂っている間に、
死んでしまう。

「往きはよいよい帰りは怖い、怖いながらもとぉりゃんせとぉりゃんせ」
ついでだから建設省は仲良しのゼネコンに頼んで河口に魚が聞こえるこんな
テープを流したらどうでしょね。

それから、よしんば頑張って、時間内にダムの下流部へ辿りついたとして、
魚道と、ドドーッと流れでる殺人、いえ、殺魚的な放水口の区別がつくよう
に、魚道はこちら、という信号機も取付けなければならない。

無事、下りていくことができなければ、のぼってくる魚などいない。
川で循環しているのは、水だけではない。
遠く海まで旅する魚も戻ってくる。生物のひとつの循環を絶ち切ると、どう
いうことになるか、皆さんご存じですね。建設省だって気づいている筈です。
方向転換が出来ずにいるだけなのです。大きな身体を押してあげましょう。

もう一度。人間は自然のかわりなどできない。

でも人間は、人間を動かすことができる筈です。

間違ったことをする人間がいたら、それを指摘して、直せばいいんです。直
せない怠け者や、建設省のように、図体がでかくて、自分じゃ直せない人間
のかたまりは、回りの人間も、後押しをしてやらなければなりません。
同じ国に生きています。私たちは敵ではありません。皆で後押しをして、動
かせばいいんです。
ひとり、ひとりに、責任があります。

まさのあつこ

ああ、ひとつ、論破できないものが残りました。水の「再利用」だけはでき
ますね。でもそれは、水ではなくH2Oっていう奴でしょうね。

「ダム日記」第一回に建設大臣宛ての手紙のフォームがあります。署名にご
協力くださる方は、どうぞ、お使いください。宜しくお願いします。