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∞∞ダム日記20(針葉樹の変身)∞∞

3月23日
開いてくださって有難う。「ダム日記」ダムで検索できます。

【林野庁の失敗】
この20年、建設省がダムダムと騒いでいる間に、林野庁では緑のダムを作
ろうと、造林計画を立てたという話を以前少ししましたが、実はこれも大変
な失策であったことを勉強しました。今日はその報告です。

杉花粉症に悩まされている人は「そうだそうだ」と頷いていらっしゃるかも
しれませんが、それだけではなかったのです。

スギ、ヒノキといった針葉樹の人工林の保水能力は、それが手入れされない
場合、自然林の2分の1から3分の1だというのです。

いくら「緑のダム」といっても、ブナなど広葉樹の自然林を伐採しての植林
は、やらないほうがましだったわけです。いえ、順調にやれば、成功するは
ずだった。そこには、林野庁も予想しなかった誤算があったのです。

安い輸入材の市場乱入。
除、間伐をしては採算が取れなくなった。日本の山は荒れ放題になりました。

【森を育てる】
「森は一度手をいれると、ずっと手を入れ続けなければならない」そんな話
を聞いたことがありますが、そのわけがようやくわかりました。

つまり、力のある森(水を蓄え、濾過し、根を張り巡らし、葉っぱを落とし
て栄養たっぷりの土壌を生む)を育てようと思ったら、人工林なら間引いた
り、枝打ちをしたり、といった手入れをしなければならない。そうすること
によって針葉樹の間に陽光が差し込み、広葉樹や雑木が育つというのです。
これで、広葉樹林の保水力にかなり近付くことができる。

緑のダムは、今ある山に「人」を入れることで今度こそ実現できる、という
わけです。

渇水対策だ、治水事業だといって、山を開き、森を崩してダムを作る必要は
どこにもない。安上がりで、しかも、ダム建設の目的だとおっしゃる渇水治
水対策が、自然を守りながら育てながらできる。一石最低三鳥。

建設省さま。国の手足としての賢い判断をして欲しい。心から願っています。
公務員って国のために働く人、ですよね。ゼネコンのためでもなければ、メ
ンツのためでも、意地を通すためでもない。エゴでもなければプライドのた
めでもない。国の将来を考えて、その結果仕事をする(あるいはしない決断
を下す)人が公務員になるんですよね。今一度、懸命なる勉強とご判断を!

【土壌浸透能】
保水能力と同義語です。針葉樹を変身させることによって、この土壌浸透能
を高めることができる。その暁には、今なら梅雨時に海へどんどん流れてい
ってしまう雨水を、山にダム一個分くらい余分に蓄えることができるように
なるそうです。
これは「人工林と広葉樹林の土壌浸透能の比較」という本を書いた中根周歩
という方が新聞で言っていました。

【木頭村に必要なもの】
四国の森深い木頭村もこの例を免れていません。
そして、その問題点を確実にとらえ、明快な解決策を持っている村です。
「支流の砂防工事に国が使った金は数十億。それより森林交付税として年間
一億円でも回してほしい。それを使って二十万円も給料を払えば若い人がも
どってきます。根本治療になりえる」(木頭村長昨年3月の新聞記事で語る)
東京から四国の森の中のことが見えるわけがない。村での金の使い方は村に
聞けば一番よくわかる。自治能力のある村には自治をさせればいい。

森を再生する事業は、今日本政府に欠けていると言われる「危機管理」の一
種だと思います。国による性急な判断が必要です。

まさのあつこ

追伸 次回はイタチごっこの砂防事業のことをお話しできればと思います。