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∞∞ダム日記42(袈裟)∞∞

5月9日(水)
  皆様の突っ込みで成り立つ「ダム日記」 質問歓迎です。

>>砂防ダムも問題ですか?
オォ! するどい! 「坊主憎けりゃ袈裟まで憎」くなってしまった自分を
見てしまったような気がして一瞬ギクリとしましたが、いいえ、そうではあ
りません。
砂防ダム「も」問題です。

【砂防ダムってどんなダム?】
水の流れに沿って作られます。古いものは上から見ただけでは分かりにくく、
川に沿って点々と土砂の中に埋まっています。下から見ると段差があるので
分かります。

以前は私もそれが「砂防ダム」というものであることを知らなかったし、何
のためにあるのかを考えてもみませんでした。滝のように見えて、キレイだ
な、気持ち良さそうだな、くらいにしか思っていませんでした。

【段差があるということ】
丹沢で見た源流に近い小川では、砂防ダムが階段式に沢山あり、切れ切れに、
段差ギリギリまで砂利の川原が形成されていました。見ていて痛々しいくら
い几帳面な「段々川原」です。川原が喋ることができたら、きっと「もうイ
ヤッ!」っていう筈です。

砂防ダムの段差がなければ、なだらかな川原が上流から下流へと続いていた
ことでしょう。砂防ダムのできる前は、上流の小さな沢まで魚が遡っていた
でしょう。

魚は砂防ダム(=段差)のある川を、沢を、遡れない。
川の花形である一級河川で、建設省が「魚がのぼりやすい川づくり」を推し
進め、魚道を付け「どうだ、自然に配慮しているぞ」と言うのを耳にするこ
とがありますね。

ところが、ちっぽけな川にはコンクリートをぶちこんで知らんぷりであるこ
とを、私達は気づいていません。世論をリードする責務を担うはずのマスコ
ミの大半も、寝ているか、見てみぬふりです。
建設省が「管理」している一級河川だけ優しくしたって駄目です。

小さな沢まで魚が遡ってくることができなくなったということは、その魚を
餌にしていた動物達が、その沢に住めなくなったということでしょう。例え
ば、そのフンをあてにしていた小動物も、その他の鳥も、昆虫もそのトバッ
チリを受けたでしょう。

【砂防ダムのメリット】
砂防ダムのメリットは、ではなんでしょう。知りません。知っている人がい
たら教えてください。一時的効果なら知っています。貯水ダムや湖に土砂が
流れ込まないようにすることです。それでも、土砂は貯まります。小さな砂
防ダムもすぐに一杯になって、すぐまた上流に作るという税金浪費、建設業
者振興の年中行事を繰り返します。

あ、では分かりました。メリットを受けるのは土建屋さんです。土建屋さん
に票をもらう政治家です。だいいち、私が見にいった沢の下には、まだダム
はできていない。それなのに、もう古ぼけた砂防ダムがある。土石流の被害
を受ける住民もいない山の中です。砂防ダムなんか要らない所です。人里離
れた山の中で、無知の私達をあざ笑うかのごとく、税金が注ぎ込まれている。
皆さん、知恵をつけようではありませんか。

【ではどうしたらいいか】
山はどうしたって崩れていく。風化と重力に人間は勝てません。
ですけど、何らかの理由で、どうしても土砂を止めたかったら、では、どう
すればいいのでしょう?

風邪をひいてから薬を飲む対処療法ではなく、風邪をひかないように予防す
る方が賢いですね。健全ですね。

山が削れてから、川で土砂をせき止めるのではなく、土が削れないように木
を植えることの方が効果があります。
木は、水を緩やかに受け止め、土に送り、浸透させ、川や地下水系にゆっく
り時間をかけて水を流します。いきなり洪水を起こしたりしません。木が生
えていた所をとっぱらって砂防ダム群を作るのはどう考えても逆効果です。

【風が吹いて桶屋が被害を受ける】
余談ですが、川によって運ばれる砂はコンクリートの上質の材料だそうです。
大型ダム建設によって砂が下りてこなくなったせいで、海の砂を代替品にし
た。

ところが、塩を含んでいるので、コンクリートの材料として適さない。
しかし、他に代替品はないので、真水で砂を洗って塩を洗い流すという作業
をする(放っておけば川が自然にやってくれたものを)。それでも簡単には
塩は抜けない。水道代がもったいない(品質の落ちるものに水道代を上乗せ
して売ることはできないという企業原理)から。でも抜けたことにして売る。

その材料を使ってコンクリートを作れば、コンクリートの骨組みに使う鉄筋
を腐食させる。コンクリートが内側からボロボロになって、強度を著しく弱
める。弱まったところに地震がくると、、、ダムができると被害は都市にも
広がります。

いただいた質問のすべてに答えていませんが、今日はこの辺で。
ダム日記は木頭村応援のために書いています。今日アップしたバックナンバ
ーに建設大臣宛ての手紙のフォームがあります。ご協力いただければこんな
に嬉しいことはありません。