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ダム日記44(川流れ)←  1995年 5月 18日  →ダム日記45(円卓会議in長良川)

∞∞ダム日記45(いじめ)∞∞

5月18日(木)
予告編がちっとも当てにならないダム日記、今日も懲りずに開けてくださっ
て有難う。

突然ですが、ダム問題とはなんでしょう?何だとお思いになります?
私は、それがニッポンという国が抱える問題の象徴だと思っています。

ご理解いただきたいのは、反対のための反対をしようとして、この日記を書
いているのではないということです。

「人間のためなら多少の犠牲は仕方がない」という問題を隠れ蓑にして(実
際はより犠牲の少ない方法がありながら、努力することなく、科学すること
なく)、怠惰をきめつけている。そこに憤りを感じ、それがエネルギーとな
っていることは否めません。そういう怠惰な姿勢にはそれこそ「大反対」で
す。

政・官・財の癒着の問題だ、という議論もあります。しかし、それを放置し
ておくとしたら、民も同罪です。なんとか無い知恵絞り合って、持続可能な
方法を模索していく。それが、私達全員の課題だと思うのです。ダム日記は
私に与えられた時間でこなす宿題です。

ケホン。前置きが長くなりました。では本日の本題です。

【ダム問題に見るイジメ】
細川内ダム建設計画のある徳島県木頭村は、日本で唯一、自治体と住民が一
緒になってダム建設に反対している村ですが、それだけに村への風当たり
(いじめ)が激しい。どこからですって? なんと徳島県からなのですよ、
これが。

細川内ダムは県と建設省が一丸となって進めようとしている事業です。
しかし、当の村が絶対反対。

これが村もダムを推進する、となれば村と県と国が手を取り合って、どんど
ん法的手続きを済ませ、市民団体や環境保護団体が文句を言ってもどうにも
ならない。

これがまさにいつものパターン。これで泣きを見るのが住民。利権を漁るの
が政治家。税金から流れてくるお金で儲けるのがゼネコン、と相場は決まっ
ているのです。

しかし、根性の座っている木頭村には、そんな手は通用しません。

【ド根性 木頭村魂】
1974年、「ダム建設をテコにした基本構想」を採択した村議会に対し、リコ
ール署名運動はするわ、村議会はアワ食って自主解散するわ。で、1975年か
らは「木頭村ダム対策協議会」を設置して、各地のダムを視察するわ、建設
省や県の要望を聞くわ、でした。

こうした協議会を11回重ね、1976年、ついに、ど〜んと出した結論が「建設
省並びに県からの細川内ダム調査申し入れについては、これを拒否すべきで
ある」でした。

続いて同1976年、村議会で「細川内ダム建設反対に関する決議」を決議。
1991年には「細川内ダム建設計画の白紙撤回要求」も決議。
ジャンジャン決議。反対に関する決議に続ぐ決議はこれまで計10回!

ところが、このせっかくの村意である決議書を、当時の村議会議長が放置し
ていることが1年半して発覚(コノのんびり加減がなんだか泣かせる!)。
当然、議長の不信任案は出るわ、議員リコールは起こるわ、村長は辞職に追
い込まれるわ、です。

【鬼に金棒】
そこへ藤田恵(ふじためぐみ)氏こと新村長の登場。
1993年、村内有権者75%の反対署名を建設(当時は五十嵐)大臣に渡して白
紙撤回を陳情。同年「現地調査等の凍結」を徳島県に確約させたのです。

この時の徳島県知事は今の現職圓藤(えんどう)知事、「細川内ダムは木頭
村の意思を確認して、やるかどうかを決める」と公式発表しました。

さて、藤田村長という金棒を味方をつけ、元気を取り戻した村民達。それま
でにあったダムに反対する6団体を一本化し、「木頭村ダム反対同志会」を
結成しました。

その熱意に勇気を得て、那賀(なか)川上流の木頭村と水でつながれている
中流の3町で「細川内ダム反対草の根同志会」が結成、そして下流では「細
川内ダム反対下流域住民の会」が結成。上流から中流まで、すでに3つのダ
ムが存在する1本の川周辺での、その経験、経緯を踏まえた上でのこうした
動きは、説得力があります。

【幼稚な 極めて卑劣なイジメ例】
さてそうして盛り上がりを見せる反対の嵐の中、大阪弁護士会郊外対策環境
保全委員会のメンバー7名が視察のために訪村。その際、弁護士会は、徳島
県の治山行政に疑問を投げ掛けました。

これは重要かつ建設的な動きだ(何事も疑問を持ち、表現することが第一歩
のうちの一つですよね)、と私などは思うのですが、徳島県は、こともあろ
うに、この視察には藤田村長も同行していたから村の見解であろうとし(だ
から何なんでしょう?)、どうしたと思います?

木頭村における治山事業のために入札で決定した村の5業者の指名を取り消
したのです。まるで、「県の言うことを聞かない奴には仕事を回さない」と
でも言うようです。当然、県は、ダム問題とは関係ない、と言いいました。

でも、県の陰質なイジメをモノともしない藤田村長は、徳島県庁に乗り込み、
入札取消の撤回、入札の執行を申し入れます。ダダン、ダン、ダン!
結果として「入札施行」という回答。意味もなく取り消したり、取消をまた
取り消したり、徳島県は自分をクロと認めているようなもんです。

こんなあからさまなイジメを堂々とやるのは、これまで、こうしたやり方で
通用していたからでしょう。村の経済が立ち行かなくなっては元も子もない
ので、県や建設省に卯合してしまう、そんな悲しい存在がこれまでの小規模
自治体だったのです。
長くなってしまいそうです。この続きはまた近々!

まさのあつこ