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∞∞ダム日記105(蟻地獄)∞∞

10月22日(日)

【行政圧迫の前科】
本当の悪人は決して自分では手をくださない。あたかも、部下が勝手に犯罪を犯
したかのように、言い逃れをする。自己防衛本能のためなのか、実際に罪の意識
がない場合もある。部下は、忠誠心を示そうと、これまた罪の意識が届かない所
で、悪辣なことをいとも簡単に成し遂げる。誰が悪いのか、誰が責められるべき
なのか、私達は混乱をするばかりだ。

建設省が、案外、すべてを良かれと思ってやっているのかもしれないと最近思う
ようになった。でなければ、通常の神経を持った人間ではできないほどの悪行が
積み重ねられているのだ。

手をくだしている人間は他にいる。その人間は、建設省のマインドコントロール
を受けているようでいて、実は、何か他の要素によって、操られているのではな
いかと、思うようになった。貧相な私の頭では、それが一体何なのか分からない。
たかがお金のために、そんなことをするとも思えない。彼らもまた、中央権力へ
の忠誠心という「蟻地獄」に足を踏み入れたかわいそうな犠牲者であると言えな
いだろうか。

【自治体としてダム建設に反対すること 苫田での実例】
岡山県奥津町。昭和32年、町民は新聞紙上で初めて苫田ダム建設計画を聞かさ
れ、にわかに反対運動に立ち上がる。

自治体としてダム建設計画に反対するということは、どういうことを意味するか。

国からの補助金を止められること。これを行政圧迫と言います。

「首を締めて血の流れを徐々に止め、ついに息を止めてくれたな」という感じ。
まりさんが故郷の反対運動にかけられた県や国からの圧力のことを説明した生々
しい言葉を私は一生忘れない。顔をゆがめながら彼女が見せた首を締める動作は、
私の脳裏にこびりついている。

【行政圧迫 実行】 
岡山県の長野知事は次々と行政圧迫を実行に移す。それは、「ダム建設」という
建設省の意志に沿おうとする必至の忠誠心だったのかもしれない。
80年代初頭より−−災害復旧の承認を延期、完成直後の林道建設の継続事業ストッ
プ。
80年代半ば−−内諾していた63件(7億円)の補助事業(町役場の建て替え、道
路改修、学校整備など)をストップ。

【VSOPそれは行政圧迫】
理由は、事故が多発している木頭村の195線を改修しない理由と全く同じ。
    「水没予定地だから無駄なのでできない」
それに対する当時の奥津町長が知事に迫った言葉は壮絶だ。
  「死刑囚と言えども処刑までは食事を与えられるではないか!」

【30年に渡る揺さぶり】
しかし、それでも、圧迫は止まない。その結果どうなるか?
悲しいことに町内のしかるべき業者などから圧力がかかり、町長は辞職に追い込
まれる。こうして奥津町では、1年に3人の町長が辞任に追い込まれた。
これが、建設省と県がグルで行なう「行政圧迫」という手を使ったダム建設予定
地への揺さぶり「常套手段」なのだ。
彼らは自分では手をくださない。こうして血(金)の流れを止めることによって、
町のインフラストラクチャー(経済基盤)を荒廃させ、そのことが間接的に過疎
を促進する。食い止めようとする者と、諦めようとする者の血縁の争いが起き、
人々の気持ちをズタズタにして闘志をそぎ、生きる楽しさも、将来への展望も失
わせる。こうしてジワジワ自滅していくことを、じっと待つのだ。

建設省は言うだろう。「計画を貫いているだけです」
彼らに罪の意識がないというのはこういう理由だ。

県は言うだろう。「中央の方針に沿っているだけです」
彼らに罪の意識がないというのはこういう理由だ。

だから、水源開発問題全国連絡会では、「第三者機関を設けろ」と要求している
のだ。
こうした罪の意識のない者の犯罪を食い止めるためには、この手しかない。

本当に必要なのか。今。ダムが必要なのか。
第三者の声に耳を傾けてください。
水需要と供給量を冷静に分析する第三者の声を、代替策を模索しましょうという
第三者の声を聞いてください。誰か!

まさのあつこ