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∞∞ダム日記147(都会人のダム)∞∞

3月1日(金)

【チリも積もればダム】
関東地方では、雨が沢山降った。しまった、と思った。先週の金曜日、墨田区の
「すみだ環境カレッジ」(最終回)に行って、簡単にできる雨水利用法を勉強し
てきたのだ。早く紹介するべきだった。もっともすぐに実践できるのは、一軒家
の場合で、アパートやマンションでは、大屋さんや管理組合ぐるみの協力が必要
になってきそうだ。

一番簡単なのは、雨どいに切れ目を斜めに入れて、そこに薄い板(ビール缶など
を切って利用できる)を差し込むと、見た目にはあるかないかくらいの切れ目か
ら雨水が外に出る。その下にバケツなどをおいておけば雨が溜まる。一軒家では
特に庭にまく水が馬鹿にならないので、これをやるといいと思う。「気休め」と
思っても、皆がやれば、確実に違ってくる。「できることからやる。」できるこ
とからやるのでなければ何も始まらない。前に進めないのであれば、せめて前の
めりであろう。次の世代はそこから学ぶよ。きっと。

水を自前で得る努力をしてみれば、今は水はタダに近いという意識を持っている
人も、それが、いかに簡単に手に入る仕組みに見せかけられて、実は、陰で物凄
い技術のお世話になっていたり、さらにもっと想像力を働かせれば、そこには犠
牲になったヒトや川や生物がいたことを思い出すきっかけになるかもしれない。
1滴でも無駄にしてはいけないっていう気持ちが湧いてくる。

さて、雨は、雨どいの中空の部分を落ちるのではなく、といの内側の壁に沿って
左回りで降りてくる。この自然の原則を理解して、装置をうまく作れば、1時間
の雨で最高100リットルまで取れるそうだ。講師のひとり、安藤勝治さんは、「
魔法のバケツ」「地下貯留層の蓋」に利用した特許もんの技術を惜しげもなく披
露してくださり、そうして貯めた雨水を最終的に水洗トイレに利用する「ロータ
ンク給水装置」を紹介してくれた。

もうひとりの講師、(有)深野製作所の深野さんは、雨どいから水を取るアイデ
アがドイツで実践されている所をスライドで見せてくれた(時々、心地よく暗い
ので居眠りをしてしまった)。ちょっとした家、農家の納屋、集合住宅の脇など、
至る所に、ドラム缶とか大きなポリバケツがおいてあって、雨どいからの水を受
けている。
それから、浮世絵に出てくる天水桶を紹介して「日本にもこうした知恵があった」
ということを思い出させてくれた。「天水桶」はテレビの時代劇にもさりげなく
時々出る。街角にある大きな桶と、その上に載った手桶数個、あれだ。あれは、
雨水を貯めておいて、火事の時すぐに利用できるようにおいてあるものだそうだ。


質疑応答の時間、「雨水をトイレに利用する場合、下水処理費用の負担はどうす
るか」という質問が出た。下水処理費用は、水道使用量に比例するのだが、水道
水以外の雨水を取った場合も、下水処理してもらうことになる。
これには、すかさず墨田区環境対策課の村瀬氏(雨水利用の推進力となってきた
人)が「この建物(墨田区役所)では、ご存じの通り、雨水利用をしているんで
すが、下水処理費用をその分負担しています。これから整備していかなければい
けない所だと思いますね」と助け舟を出した。

質問を受けた安藤さん自身は実に自然体の人で、13年前のある日、2階のベラン
ダで育てる五月に水をやるために階下から水を運んで階段にこぼして奥さんに怒
られて、頭をひねり、雨どいの利用を思いつき、穴をうがち、バケツをおき、子
供にせがまれて金魚を飼い、水が腐って怒られして、試行錯誤を繰り返して、つ
いに北半球の雨どいを落ちる水の法則にまで行き着いて特許をとってしまった人
だ。社会の法則に則った下水の質問には困っていた。

カレッジ終了後、職員の人にお礼を言って帰ろうとしていると、村瀬さんが「パ
ソコン通信はどうですか?」と声をかけてくださった。ぎゃぉ〜。
下水に関する質問は、実は、口調がすごくトゲトゲしていたので、「意地悪な質
問も出るんですね。びっくりしちゃいました」と感想を述べた。すると「いや、
あれでいいんですよ。ああやって色々な意見をぶつけてね、皆で段々いいものを
作っていけばいいんです」とおっしゃる。そうなのだ。私はまだまだ修業が足り
ん。もう二度と「意地悪」を「意地悪」に受け取るのは止めよう。

【下から上へ そして横へ】
村瀬さんたち墨田区の環境対策課は、その日(2/23)東京都庁に行ったそうだ。
東京都としても墨田区が進めてきたような雨水利用策を推進して欲しいという要
望を出してきたという。「今後、東京都だけでなく、各地でこのような試みが広
まるように我々としても努力」していかれるそうだ。

青島さ〜ん!その日は「官官接待を全廃する」という制度改革を発表していたけ
ど、この「雨水利用」の重要さも理解してくれたかなぁ。シンパイなのであった。

都職員の人で、これを読んでいる人がいたら、青島さんの耳元で「雨水利用」
「雨水利用」「雨水利用」と毎日三度ささやいてください(^_^;)v。
「東京都は最大の圧力団体だ」と言ったのは、都知事選で青島さんに破れた岩国
哲人氏だけれど、東京が変われば、日本は変わると思う。青島さん!墨田区から
東京、東京から日本全国、アジア地域、果ては世界に雨水利用を勧めよう!
ODAで途上国の山河をダムで埋め尽くす前に!お願いしますよ〜。

まさのあつこ

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「雨水利用を進める市民の会」から「雨水利用コンテスト」のお知らせをいただ
き、さっそく転載許可いただきました。たっぷりのご案内なので2回にわけて一
部転載にします。実践派はもちろん、アウトドア人間、活字人間も気軽に参加で
きそうです。
まさのあつこ 1996.5.1
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第2回 雨水利用コンテスト募集要項

1応募内容
実践部門、アイデア部門、川柳部門に別けて募集します。
1)実践部門
雨水の集め方、ため方、利用のしかたなどの工夫、苦心策を募集します。実施が
決まっている計画例も対象とします。一般家庭を含めて広く応用できるものを歓
迎します。
2)アイデア部門
応募テーマ:自然に親しむ雨水利用・・・雨水をためて緑を育て、鳥やトンボを
呼ぶ。家庭菜園に雨水利用を取り入れる。雨水利用を取り入れたオートキャンプ
場をつくるなどあなたのアイデアを応募します。
このテーマに限らず、独創的で、実用的で、広く応用できる雨水利用のアイデア
も歓迎します。
3)川柳部門
もっと雨水を大切にしたい、もっと雨水を有効に利用したい、という思いを込め
て、雨水利用の川柳を募集します。

2 応募資格
実践部門、アイデア部門、川柳部門とも、国籍、年齢、専門、所属など応募資格
は一切問いません。グループでも個人でも構いません。何点でも応募できます。
また、三つの部門への同時応募も可能です。ただし、本コンテストの運営・選考
関係者は応募できません。
〜中略〜
4 応募期間  1996年3月18日(月)〜6月24日(月)
〜中略〜
11.主催等
主催:「雨水利用を進める市民の会」
後援:墨田区
協賛:東京・東ロータリークラブ、玉の肌石鹸、東京コダックラボ、雨水リサイ
クル研究所、東洋科学、東西商事、北斗出版、アサヒビール(予定)

応募したい方は、はがきで下記のところ宛てに応募資料をご請求ください。
〒131 東京都墨田区東向島1-8-1
「雨水利用を進める市民の会」事務局
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その1/2から時間がたってしまいましたが、すみません。
以下は、ご参考までに、2年前の「雨水利用東京宣言」です(^.^)。
「雨水利用を進める市民の会」より転載許可いただきました。
96.5.12 まさの
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   雨水利用東京宣言
 
 雨水は気候や風土、地域の特性はあるものの、だれもが平等に手に入れること
ができる資源です。そして雨は地球の中を循環しながらすべての生命を支えてい
ます。私たちは世界各地のさまざまな雨水利用の英知に学びながら、都市の水源
の自立をはかり、都市の水循環をよみがえらせ、都市の再生をはかりたいと思い
ます。

 日本には世界の年間平均降水量の二倍近い雨が降ります。しかもおおよそ四日
に一度は雨が降ります。世界の中でこんなに雨に恵まれた国はありません。この
ことは日本に独特の雨の文化を育むことを可能にしました。夏の夕立のすがすが
しさ。虹の美しさ。雨だれの音。雨蛙の歌。四季折々の雨の匂い。雨乞いとてる
てるぼうず。雨に親しみ、雨と遊び、雨に恐れ、雨を敬う。雨こそが人間の豊か
な感性を育んできたといっても過言ではありません。私たちは、今回の雨水利用
東京国際会議をきっかけに、世界の雨の文化に学びながら、もう一度このすばら
しい日本の雨の文化を暮らしの原点から見直し、都市と雨の共生を目指します。
 
 私たちは、雨水をもっと大切にしたい、もっと有効に利用したいという思いを
込めてここに高らかに宣言します。

1.世界の年間平均降水量の二倍近い雨が日本に降ります。私たちはこの雨を利
用し、水源の自立を目指します。
2.きれいな空にはきれいな雨が降ります。私たちは生命や文化を育む雨を汚さ
ないようにするために、きれいな空を取り戻します。
3.都市は雨を排除してきたため、熱い、乾いたまちになってしまいました。私
たちは雨を地下に浸透して都市の水循環をよみがえらせ、まちにうるおいを取り
戻します。
4.私たちは墨田区で開かれたこの会議をきっかけに、長い年月をかけて培われ
てきたすばらしい日本の雨の文化を見直し、雨とともに生きるまちをつくります。

5.私たちは雨水利用を行なう世界中の人たちと手を組み、雨水利用で地球を救
う輪を広げます。
1994年8月6日
   雨水利用東京国際会議実行委員会