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∞∞ダム日記154(人の生死)∞∞

3月17日(日)
やややや。あれこれ書き散らしておって、申し訳ない。

【3連発その3】
ゴロを合わせるわけではないけれど、先日3月3日に、建設省徳島工事事務所で
広報を担当なさっている方へ質問してみた。この方は、去年夏ごろに、ニフティ
BBS掲示板で、建設省徳島工事事務所の情報を発進していたことのある人だ。
私は、最初はっきり言って、「すわっ!ダム日記つぶしか!」「掲示版で建設省
と私の一騎打ちか!」と慌てたのであるが、これは誇大妄想だった。読者の方か
ら教えてもらったIDを頼りに、広報担当の方ご本人からコワゴワその内容を転送
してもらったら、細川内ダムとは全然関係ないことだったので、拍子抜けしてし
まったくらいだ。

あの頃は、「建設省の人と対話したいなぁ」と思ってもどのように対話したらい
いのか分からず、忙しかったので、放置してしまっていた。
しかし、そろそろ、木頭村やダム問題のことを「知らない人」に向かって情報を
投げるだけじゃなく、今度は、「地方自治や民主主義や環境のことに関心が高い
普通の人々の考えていること」を、「国家事業としてダム建設を推進したい人」
に向かって発信したい。彼らの行動や思考の原点などを知りたいし、沸いてくる
疑問をぶつけてみたいと思うようになった。
疑問が湧いてきたら、返事がもらえるかもらえないかはともかく、どんどん、聞
いてみよう。ノンポリの人間が、行政の行なうどのようなことを疑問に思うのか、
何を知りたいのかを知ってもらうためにも聞いてみよう、と思った。そして、す
ぐに、疑問が湧くようなことが起こった。
それは、2月29日に県内の市民団体が「地元木頭村の反対で事業が進展する見通
しがない」のに細川内ダム関連に予算を付けるのは「木頭村への行政圧力だ!」
と、予算削除を徳島県知事に申し入れた一件だ。
その質問は知事に申し入れたのに、県河川課の技術課長補佐が「県は那賀川の治
水・利水面で細川内ダムは必要と考えており、予算削除はできない」と答えてい
た。広報担当に送った私の質問を抜粋する。

>質問1 行政圧力と、よく言われていますが、
>このような県民感情を、建設省徳島工事事務所や県の方は
>どのように受けとめていますか?

>質問2 (知事の代わりに河川課の人が答えたことに対し)
>知事の方針のようなものは、
>あらかじめ河川課に通知され、徹底されるのですか?

>お時間のあるときにお答えいただければ幸いです。
と書き加えたので、まだ返事はいただいていない。

【人の感情】
人間は案外もろい。様々なことで、揺れる感情の動物だ。
だから、人の心が分かる人でなければ、国や県や村をリードしていくことなんか
できないな、と思う。
行政圧迫に関しては、数字として上がってきているので、マスコミや県議員など
も「行政圧迫」でなはいかと考える人が増えてきている。そうではない、と「県」
は答える。しかし、人の中にわきおこる疑問はそんな答えだけでは払拭されない。


木頭村では、今年2月20日に、労災死亡事故が起きている。砂防工事中、石垣
が崩れて2名が死亡してしまったのだ。
村民の間には、県による発注の遅れや無理な工期(95年12月6日から96年3月10日ー
木頭村は標高が高いので極寒期)が原因ではないか、これは、ダム問題でのいや
がらせではないか、という疑問があるらしく、村議会でそう質問をした議員もい
た。
苫田ダム計画に反対した岡山の奥津町では、あからさまな発注引き伸ばしや取り
止めがあった。その総額は1986年だけで63件、7億円に及んだ(手帖舎フォト・
エッセイ「ダムとたたかう町」編苫田ダム阻止写真集刊行委員会参考)ので、同
じ問題を抱える木頭村でこのような感情が生まれるのは必至だ。

藤田村長は「適性に発注されていたと思う」と県の気持ちを逆なでしない見解を
述べている。誰しもそう思いたい。人間として、誰かのせいで、ある人が死んだ
などと恨めしいことを思いたくない。しかし、人の生死に伴うことは、諦めきれ
ないことが多く、いつまでもいつまでも、心に傷になって残る。
「いやがらせ」と取られるようなことを、県は今後一切すべきでないと思う。

まさのあつこ