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「木頭村の未来を考える会」プレスリリース6号
                    1996年7月8日

徳島県の細川内(ほそごうち)ダム建設計画に反対する木頭村(きとうそん)を
応援する「木頭村の未来を考える会」では、7月11日(木)、水源開発問題全
国連絡会(代表 矢山有作)と共に、建設大臣に対し、岡山県苫田(とまだ)ダ
ム建設事業審議委員会(注:下記参照)の答申に関し要請を行ないます。
この要請には、衆議院の秋葉忠利議員、宇佐美登議員、岡崎トミ子議員、高見裕
一議員、参議院竹村泰子議員が賛同し、竹村議員が同行します。

【ダム事業審議委員会とは?】平成7年7月14日付け建設省河川局長通達により、
計画作成から長時間経ち、社会情勢等の変化などにより必要と判断された場合な
どに設置することとした「ダム事業の評価システムの試行」の一環。その実態は、
開始直後から現在に至るまで、数多くの市民団体に「お墨付き機関ではないか?」
と指摘され、苫田ダムに関する答申も、その指摘を裏付けるものとなった。

【中国地方建設局長への要請:事後報告】
上記2団体は、去る6月28日、建設省中国地方建設局長に「苫田ダム建設事業
審議委員会およびその答申に関する要請書」を提出しました。以下は、その時に
提出した要請書です。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜参考資料〜〜〜〜〜〜〜
1996年6月28日
中国地方建設局長 佐藤信彦殿

苫田ダム建設事業審議委員会およびその答申に関する要請書

                水源開発問題全国連絡会
                木頭村の未来を考える会

             記

苫田ダム建設事業審議委員会(以下、委員会)に関し、(1)答申の無効(2)
答申の元となった討議資料と議事録の全面的な公開を、以下の理由で要請し、速
やかなるご回答および対応をお願い申し上げます。

(1)答申は無効であると客観的に結論づけることができる。

1. ダム事業を対象に委員会が設置された理由が「計画作成から長時間経ち、
社会情勢等の変化により必要と判断された」ためであるにも関わらず、「現時点
で苫田ダムの建設の是非にまで遡って議論を行なうことは適切でないと考える」
と答申にあることは、委員会の設置理由が十分に理解されないままに運営されて
いたことを示している。

2. 同委員会の全3回において、関係住民からの"審議公開""議事録公開"の要
請を聞き入れずに審議を行なったことは、建設省通達による「地域の意見を的確
に聴くことであり、委員会の議事運営に当たっては、必要な資料の提供等の協力
を行ない、情報公開に努めること」という設置目的に背くものである。
95年10月11日に開催された第1回の委員会議事録の公開要請を関係住民が96年1
月に行なったことに関し、中国地方建設局が即座に「議事録は作っていない」と
述べ、同15日、新聞の切り抜きを「議事の内容」として送付した事実、関係住民
の再三の要求に応じて「議事要旨」を送付したのが、96年6月9日であったという
対応がそれを如実に物語っていると考えられる。
第3回審議において、岡山大学の環境理工学部が出した見解の元となったデータ
と、その見解の信頼性、客観性、および見解を取り入れた根拠などを示す討議結
果は、手続の公正さを担保する上でも公開される必要性がある。

3. 委員会の人選を公正に行うべき岡山県知事は、「苫田ダムに関しては審議
委員会をつくられた意味が良く分からない。審議委員会でもう一度議論しようと
は思わない」と公の場で発言している。この事実から考えれば、公平・公正な人
選により委員会が構成され、客観的な議論がなされたという信頼は崩れており、
委員会設置の意義が当初から失われていると考える。また、過去の最高裁の判例
「事実の認定につき行政庁の独断を疑うことが客観的にもっともと認められるよ
うな不公正な手続をとってはならない」(最判昭46.10.28)から判断しても、
「行政庁の独断を疑うことが客観的にもっともと認められる」ような発言をした
知事が人選を行なうことは、「不公正な手続き」である。

4. 委員に人選された学識経験者は、ダム事業に関する知識・経験が薄く、実
質的審議が到底不可能であるため、「家屋移転、国道付け替え工事などダム建設
を前提とした整備が進行している」などの非本質的な答申が行なわれたが、これ
では客観的な審議がされたのかという疑問が生じることは当然である。

(2)本来審議されるべき内容が審議されていない。

1. ダム事業では、利水、治水の費用対効果や代替案、住民の生活環境や人権、
生態系への影響など、多岐に渡る検討が必要であるにも関わらず、3回(実質1
回)の委員会で、そのすべての点が網羅され、審議が尽くされたとは到底考えら
ない。

2. 苫田ダム建設事業における岡山県政の取った政策が評価されていない。水
没予定地である奥津町が、1957年以来、町是として掲げた「ダム建設反対」に対
し、岡山県が1986年だけで63件7億円の補助事業をストップして、町の財政を圧
迫し、町行政を立ち行かなくさせた事実は、岡山県による「行政権の違法な不行
使」に他ならない。岡山県が下流自治体に呼びかけて「協力感謝金」を創設し、
住民に対し、1989年度は同意書提出者に500万円、次年度は250万円、それ以降は
ゼロ円を交付するとした件は、住民の移転に関する意思決定が「他事考慮」と疑
うに充分である。審議委員会では、こうした奥津町への行政圧迫、住民が不本意
に賛成に追い込まれていった経緯が厳しく検証されるべきである。
(1)の3と重ね合わせても、こうした県政の実態を考慮せずに、その県政の長
である知事に審議委員会の人選を委ねたことは、中国地方建設局の公正な判断の
欠如を示しており、その責任が問われるきものである。

以上のような点で、不適切な運営、不十分な情報公開が散見された苫田ダム審議
委員会の答申は、信頼性が低いと判断せざるをえません。
従って、関係資料の全面公開と、ただちに、苫田ダム建設事業審議委員会答申を
無効とすることを要請します。

その上で、改めて「評価システムの試行」そのものの再検討を住民参加の下で話
し合われる場が実現されるまでは、苫田ダム建設事業そのものの凍結も必要であ
ることは言うまでもありません。

以上
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜参考資料終わり〜〜〜〜
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「木頭村の未来を考える会」 立ち上げ人 政野 淳子
鎌倉市岡本2-2-1-510 TEL&FAX:0467-48-5556 
     VYC00431@niftyserve.or.jp
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