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∞∞ダム日記336(菅家さんへ)∞∞

9月1日(月)
菅家さん、骨の調子はどうですか? 私は先週、いよいよ「自分がなりたいもの」
のイメージトレーニングが完了して、下手な鉄砲をぶっぱなし始めました。「タ
タタタッ (/^_^)/」と忍者のように走りながら、ドキューン!バキューン!と撃
ちまくるつもりです。

菅家さんにいつか「このことをダム日記に書いていいか?」と許可をもらったこ
とがあるのを、憶えていらっしゃるでしょうか?実は、「そのこと」は、ダム日
記と並行して昨年春から始めた「審議委員会」というシリーズの中で書きました。

それをちゃんと報告した記憶がありません。ごめんなさい。そのシリーズは、木
頭村の「細川内ダム審議委員会」就任拒否が定着したので、その後中断しました。
ソロソロ動きだす様子があるので、このシリーズも復活させようと思っています。


折しも、シリーズのバックナンバーを、熊本の川辺川を愛する西田陽子さん達が、
「県民の会」のホームページ http://plaza4.mbn.or.jp/~kawabe/に、近々載せ
てくださるそうです。13号書いたこのシリーズの13号目に菅家さんが登場します
ので、今日はそのバックナンバーを自分で転載します。これは「審議委員会」シ
リーズの「トロトロ復活宣言」でもあります。

〜〜〜〜〜〜〜〜ちょうど1年前に書いたもの〜〜〜〜〜
審議委員会13(クマタカと文部省)

1996年の9月3日(火)
キリリとハードボイルドに運動を続けている人に、「博士山ブナ林を守る会」会
長の菅家(かんけ)博昭さんがいる(在福島)。去年の6月だったか、そこのブ
ナの原生林を伐採して通す計画の大規模林道の現地調査に行った時、初めて名刺
をもらった。
そこに「百姓」と書いてあった。
非常に寡黙なのだが、質問すると、丁寧に答えてくださる。
「マスコミ戦術」を教えてくれたのも、菅家さんだ。

【菅家さん秘伝マスコミ対策】 (ダム日記での紹介の許可を得たのが今年の冬。
はや半年。こうして溜まるネタ、数しれず(^_^;)。。。)

説明しやすくするために、具体的に例えば、林野庁に要請に行くとする。
1.「要請に行くためのミーティングをします。関心があったらどうぞご参加く
ださい」と記者達を誘う。何が問題で、行政の対応がどうでということをもちろ
ん説明する。
2.関心を持ってくれた記者は、ミーティングに来るので、自分達がどんなこと
をやっているのかを知ってもらう。
3.観察会や、現地視察などを行なう時には、それにも誘って現場を見てもらう。

4.実際に要請に行く。その時にできれば同行してもらう。
5.要請後の報告会をやって、同行できなかった記者の人にも結果を知ってもら
う。
その後の経過も報告する。

こうすると、記者というのは「知らないことは書けない」「興味のないことは書
けな」くて当然だから、少しづつ、無理のない情報量を、しかも「繰り返し」耳
にし、目にしてもらうことができて、書いてもらえるチャンスを作れることにな
るし、記者の人達もまた「分かると面白い」ので、どんどん自主的に参加してく
れるようになる。

木頭村を部外者として応援する上で何か参考になることはないか、と、犬のよう
にクンクンやっていると、菅家さんの所がニオッテくる。ついに私もこの戦略に
掛かって(^_^;)、先日、新潟の奥只見ダム周辺であった日本イヌワシ研究会によ
る「イヌワシ調査」を見学に行った(菅家さんは同会のメンバーでもある)。奥
只見のダム工事がイヌワシの生活や営巣に与えている影響を調査するためのもの
だ。

根底には、何故「イヌワシ」と「クマタカ」は騒がれるのか、という疑問を解消
したいという思いがひとつと、「とにかく現場を見たい」という思い。

果たして、勉強できた。「日本イヌワシ研究会」の人が張っていたマスコミ用の
テントに入り込んで、「すみません。私はマスコミでもなんでもなくて、ど素人
なんですけど勉強したいので質問してもいいですか?」と聞いた話で、勉強した
部分だけ書きます。記憶まかせに書きます。変な部分は私の記憶力のせい。

【猛禽類について】
Q:「イヌワシとかクマタカって、あまりなじみがないんですが。ダムのことをやっ
ていると、話題になる。何故、騒がれるのでしょう?」
A:「小学校の理科の教科書で、食物連鎖を習ったでしょう?ピラミッドが書いて
あって。その一番上に、猛禽類の絵、ワシなんかが書いてあったの覚えていませ
んか?」
Q:「あ、覚えてる!そうでした、そうでした」
A:「でね、その食物連鎖の頂点が絶滅の危機に瀕するということは、ピラミッド
の頂点を支えているその下の生物が危ないってことなんですよ。つまり、生物全
体の生息環境の指標なんですね。頂点の動物がいなくなるというのは、その下、
底辺までが危機に瀕していると考えてもいいわけです。イヌワシは我々に教えて
くれているんですよ。だから騒がれるんですがね」
私の疑問はここで氷解したが、その方はさらに言葉を続けた。

A:「教育の問題があります。日本では生態系の教育が、あのピラミッドくらいで
しかなされていないでしょ? それだと、猛禽類の持つ意味、それが底辺までつ
ながっているという生態系保護の考え方までは育たない。イヌワシやクマタカの
絶滅ということと、あのピラミッドが頭の中でつながっている人は少ないと思い
ますよ。「滅び行く種だから」という非常に偏った騒がれ方になって、絶滅しそ
うなものだけを保護するという発想になってしまう。しかしそうじゃない。生態
系全体を守らなければイヌワシを守ることにはならない。つまり、ピラミッドの
底辺からすべてを守ることであって、イヌワシだけを守るということではないん
です。イヌワシの学会なんか行きますが、アメリカなんか羨ましい限りですね。
猛禽類の専門家の数が桁違いだし、一般の人で、イヌワシの保護のやり方に関し
ても、「生態系全体を守る」という理解ができている人も非常に多い。学校教育
で、そういうことができている。教育の違いを思い知らされますよ。」

小学生のお子さんを持っているお父さん、お母さん。お子さんの理科の教科書を
開いてみましょう。「生態系全体を守る」という観点が書かれていなければ、さっ
そく、情報を補充してあげてください。文部省に頼っていては、この国は滅びま
す。

その「文部省に管理されている」国立大学の先生達が審議委員になって、「文部
省に教育された」建設省の役人が主導で開設した川辺川ダム事業の審議委員会で、
「クマタカに関する質問がでなかった」のでこれ幸いと、建設省がこの事実を審
議委員会に報告しなかった件を知った時、生まれて初めて、社会とは何にも関係
ないと思っていた「小学校の教育」や「教科書」でさえも、リアルに自分達と直
接関わっているいるのを悟った。

文部省に頭まで中央集権されない先生や教科書を生みだすためには、究極的には、
「隣の人」に関心を広めて、社会全体を活性化するしかない。
仲間は増えてきた。ここからさらに、私達は、どこまでできるだろうか?

まさのあつこ
〜〜〜〜〜〜〜〜
「どこまでできるだろうか?」って(^_-)?はっはっは。(>1年前の私)
ここまで来たのだ!次はこれを読んでいるアナタの所だ!
まず、そう信じよう!
まさのあつこ