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∞∞ダム日記345(青い夜に)∞∞

10月2日(木)
明日は「質問主意書を書こう!」セミナー(青山の環境パートナーシップオフィ
ス:地下です)の日です。栂坂さん、よろしくお願いしますm(_ _)m。予想前後
の人手になりそうです。(60席には満たないので、興味と時間のある方は是非、
遠慮なく押しかけてください。)

改めて、皆さんこんばんは。
この日記を読み続けてくださっている方なら、「山本まり」さんの名前を覚えて
いただけましたでしょうか?岡山県に40年余前に計画された苫田(とまた)ダム
建設予定地「奥津町」に生まれ育った女性です。苫田ダムは、「ダム審議委員会」
で即、推進が決定され、工事の始まったダムです。今では山肌がけずられ、コン
クリートがはりつけられ、痛々しい姿です。
先日、まりさんは帰郷する機会があり、足をのばして奥津町を訪れました。
そこで、ひとつの新しい看板を見つけます。
ダム工事現場に建てられた「パパがんばって」という看板です。
まりさんはその看板を、吐き気がするほど許せない。ダム闘争が40年も繰り広げ
られた場所、故郷を渡すまいと40年も「がんばって」いた人達の「魂」が染み付
いている場所に、そんな看板を立てる感覚が信じられない。(工事現場で働いて
いる人に対して悪感情を抱いているわけではありません)。そういう場所にそう
いう看板を立てる貧困な想像力に腹を立てている。  岡山県の「苫田ダム推進対
策室」に、その看板を立てたわけをメールで問い合わせたくらいです。岡山から
その回答はまだありません。
以下は、私達のPATIOで、彼女が心の中に飲み込んで昇華させた「怒り」です。
こんな涙を流す人を、悲しませない国にしたい。
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|00241/00242 VFD01505  山本まり         青い夜にうたう夢
|( 1)   97/09/27 02:41

山がうたうのを聞いた。
中学生の頃だ。
私は屋根の上で空を眺めるのが好きだった。
妹は、「お姉ちゃんは猫のようだ」と言って笑った。
ある良く晴れた煌煌と月の輝く夜、私は月の光に誘
われてこっそり屋根の上に忍び出た。
昼間の太陽の温かさを吸い込んだ屋根瓦のほんのり
とした温みをお尻に感じながら、私は星と月と山や
まを眺めた。
  山から吹き降ろす風が私の前髪を弄った。芳香を
含んだ風を吸い込みながら、山やまの木ぎが、ざわ
ざわとその身をくねらすのを見た。
  山がうたっていた。規則正しい波長で。ラベルの
ボレロとか、バッハを思わせる旋律を確かに私は身
体に感じていた。青い月の光に包まれて。山はうた
うのだな、とそう想った。
  しびれるような気持ちで、私は山と月と星を眺め
た。  静かな夜。
  あの山やまのおかげで、私はなんとか、無事に大
人になることができた。私には、はっきりと、山に
守られている実感があった。
  もし、山の無い場所で育っていたら、私はとうに
心か身体かどちらかを病んで死んでいただろう。

  そしてあの山は死んでしまった。

  私は見ていただけだ。山が死んでいくのを。

  青い月の光に包まれた、山も川も里も遠い幻にな
ってしまった。
  もう取り返せない。もとには戻らない。

  いっそ、あの山に深い穴を掘って私も一緒にうず
めて欲しい。  そして、青い夜にうたう夢を、山と
ともに見よう。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
転載の許可ありがとうまりさん。
まさのあつこ