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6月25日(木)

【議員の会、第十堰へ行く】
「公共事業チェックを実現する議員の会」による「吉野川第十堰」の緊急現地視
察が、23日に行なわれた。参議院選挙前のドタバタにもかかわらず。

まず、吉野川河口干潟を日本野鳥の会徳島支部長が案内。次に、元漁師からここ
数十年の川と海に起きた変化を聞き取り。最後に、サワサワと水が越流する第十
堰(江戸時代に出来た堰)のすぐ脇で、現地住民との交流会が行なわれた。議員
の会に直接声を聞いてもらおうという住民の他、新聞、テレビ他、合計70人ほど
がドッと集まり、会長代行として視察に出向いた佐藤謙一郎衆議院議員を囲んだ。


「あ〜、全然違うなぁ!」佐藤議員の第一声はこれ。コンクリートで補強されて
いるという事前の説明で無味乾燥な堰を想像していたらしく、雄大に流れる吉野
川が、滔々と堰の上を越流して流れる様を見て出た言葉がそれだったようです。

交流会などで、「子どもは自転車で堰の上を渡りよる」とか、「(高度成長期に)
砂利採取されるまでは川が浅く、牛を飼いよった頃は牛を連れて渡りよった。今
は川底がさがったから洪水になっても危なくない」「堰を流れるリズムで生活を
してきた」など、第十堰と暮らしてきた人々が、第十の堰への愛着を語ったり、
「第十堰のご支援を(第十堰が撤去されないように)よろしくお願いします」な
ど叫び出すおばちゃんが現われたり、おばさん、おじさん、お姉さん、お坊様、
シベリアンハスキー犬(はウロウロしていただけだが)がゾロゾロ現われた。

佐藤議員は、第十堰の脇に地べたに座り、小さな手帳にメモしながら住民の話に
耳を傾けていた。感想を聞かれて、「こんなに生活感のある運動だなんて素晴ら
しい」「(第十堰は)自然と人間が共有している日本の原風景だ」などえらくハ
イに語っていた。

最後の最後に、県庁へ行き、徳島知事へ宛ての要望書を提出。しかし知事が留守
で受け取ったのは土木部。「要望書」の内容は以下の通り。

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         要望書

徳島県知事 圓藤寿穂 様
           公共事業チェックを実現する議員の会
           会長代行 佐藤謙一郎

拝啓 時下ますますご清祥のことと存じます。
さて、公共事業チェックを実現する議員の会は本日吉野川第十堰の現地視察を行
い、多くの地元住民の意見を聞きました。先祖代々吉野川と第十堰とともに暮ら
してきたかれらの共通した意見は、可動堰を作る必要は全くないこと、作れば多
くの弊害が出ること、先人の知恵である第十堰は守らなければならないこと、そ
して長良川の愚行を再び吉野川で繰り返してほしくないということでありました。

私たち議員の会はこれまで2度の懇談会を開催し、建設省側と住民側双方から意
見を聞きました。可動堰を不要とする住民の主張が長年の経験とデータに裏打ち
され論理的で説得力があったのに対し、建設省の主張の根拠は極めて薄弱で計画
が人命財産の安全に役立つとは思えないものでした。
いま河川行政は大きな転換期にあります。経済優先の古い治水計画を見直し、人
命優先環境重視の新たな計画を策定することが急務となっています。150年の計
を定める第十堰問題はそのなかで改めて考える必要があり、安易に可動堰計画の
容認はなすべきではありません。
知事におかれましては、時代に逆行し根拠もあいまいにあこの計画を、住民の合
意形勢もなされないまま推進することがないよう、また全国民の財産といえる清
流吉野川とすばらしい文化資産である第十堰を守る手立てを講じていただきたく
強く要望いたします。


1998年6月23日
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この「要望書」を受け取った土木部の方々と佐藤議員は、予想外のやりとりを行
ないました。「情報公開」のやり方に対し佐藤議員が質問したのに対し、県庁の
役人がこれまた「言い逃れ」をし、そばにいた「吉野川シンポジウム実行委員会」
の姫野氏が実態を話して、またもウソがバレバレになりました。

「公共事業チェックを実現する議員の会」視察密着同行取材、また報告しますが、
これにより、予想通りの「逆風」が吹いてきました。これまでの流れに逆らおう
とする時、逆風が吹くのは、当たり前のことなのかもしれません。逆風がどこか
ら立つか、その「場所」を見て、私自身はひと回り大きくなったと思います。私
は人を育てることも好きですが、自分の成長も楽しみです。

まさのあつこ