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7月17日(金)

 1998年7月17日午後「吉野川シンポジウム実行委員会」の姫野雅義(ひめのま
さよし)代表世話人が、建設省大臣室にて瓦力建設大臣に直接会見し、吉野川第
十堰問題の重要性を訴えました。

 建設大臣は、姫野さんの説明に「ウン、ウン」と首を縦に振りながら耳を傾け、
吉野川第十堰事業審議委員会が「建設は妥当」との答申を出した一方で、「徳島
県内においては、住民の多くが審議が尽くされたとは感じておらず、反対する住
民が徐々に増えている」事実を認識されました。
 「そりゃもう強引に(事業を)おしていけるような時代ではない。軟着陸をし
たい」が大臣のこたえです。

 姫野さんが使った説明資料のひとつは「まんが第十堰」。
 「こんなものもできておりまして」と、開口一番に大臣にマンガを差し出した
市民団体がいまだかつてあっただろうか(^^)?

 もうひとつの資料は世論調査結果。95年から98年までに「徳島新聞」「NHK」
「四国放送」などが行なった6つのアンケート結果をグラフに示したもの。
 姫野氏「時間が経てば経つほど『反対である』という住民が増えています。反
対の比率は現地に近いほど高いんです。これは藍住町議会が行なったアンケート
です。藍住町というのは河口堰建設予定地の左岸の町です。」
 大臣「ほぉ、議会がね」
 姫野「はい。ここでは住民の66%が反対をしています。それから右岸は徳島市
の佐野塚という地区ですが、ここは全戸が農家で、全戸が反対です」
 (大臣ウンウンとうなづく)
 姫野「審議委員会の『審議が十分』であると答えたのは現地に近いところでは
22.5%しかいません。大半が『審議は不十分、継続すべき』と答えています」
 大臣「ああ、審議がね」
 姫野「はい」

 というわけで、徳島県の「吉野川第十堰問題」は、建設大臣自らが認識し、建
設省をあげての問題になりました。
 姫野さんの直訴は、吉野川第十堰の審議委員会が「建設は妥当」と答申を出し
たことを受けて、「公共事業チェックを実現する議員の会」が会見を申し入れた
ことにより実現したもの。

 竹村泰子参議院議員は、審議委が慎重に答申を出すよう、6月17日にも大臣に
申し入れたにもかかわらず、参議院選挙の翌日13日に結審したことに異論を唱え
た。また、長良川の愚行を繰り返さないようにと強く訴えた。吉野川河口堰は基
本計画もまだできていない段階だ。「新河川法がどのように適用されるのか」と
いう質問への回答を大臣は避けた。その次の段階である環境アセスについては、
「新法を適用するのか」との確認に大臣は「当然」と答えた。

 ついで、佐藤謙一郎衆議院議員は、6月23日に現地に行ったことに触れ、吉野
川第十堰のすばらしさを訴えた。また「今回の参院選の結果は、自民党の敗北だ
とか野党がどうしたということを越え、何よりも『行政』に突き付けられた国民
の声だと受けとめるべきだ」と力説した。

 私は連絡を担当した縁で同席した。一通り話が終わった所で、「判断材料を述
べさせていただければ有り難い」と大臣に言うと、「判断材料は大歓迎」とのこ
とで思い切って述べた。
 「吉野川河口堰が必要であるとされたのは、昭和57年、建設省自らが、80年に
一度の洪水に耐えればいいとされた治水基準を、150年に一度の洪水に耐えなけ
ればならないと変えてからです。昨年、河川法は改正され、それまで『治水』と
『利水』しかあげられていなかった目的に『環境保全』が加わりました。つまり、
『治水利水』と『環境保全』は両立をしなければならないとされたわけです。国
民が求めているのは、その違い、つまり法律が書き換えられたことが具体的に事
業に反映されるのを見ることだと思います」
 大臣は「うん。『治水利水』と『環境保全』の両立ですか」と快活に頷いた。

 まさのあつこ