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∞∞ダム日記479(プロの天秤)∞∞

1月9日(土)
最近、国会周辺の基礎的な質問が寄せられる。初心者の独り言は初心者の頭を刺
激するらしい。以前は、自分の言動の責任は自分が取ればよかった。悲しいかな、
今、私はプロとして国会周辺におり、雇用されるプロとしての責任と、変革期に
ある日本の社会人としての責任を天秤にかけながら書いている。(おおげさか・・
・)

今回質問をくれた森さん!あなたの6つの質問は、本当は「自分で答えを見つけ
ろ!」と怒鳴りたいものばかりだ。自分で這いずり回って「無駄な時間」を重ね
なければ、自分が知りたいことの本当の答えは何も見つからない。私の回答は私
が這いずり回って見いだした答えであって、貴方の答えではない。そうは言って
も「今」知りたい貴方の好奇心は歓迎すべきものだから、眠いけど我慢してお答
えします。私の睡眠を奪った責任をとって貴方は確実にその分、ここから先、貴
方自身を育てて欲しいし、貴方に続く人を見い出して育てて欲しい。それができ
ないなら読まないこと。それが私の注文です。

〜〜〜〜〜森さんからの質問と答〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
日記473号より
『建設省から電話。今、吉野川第十堰と川辺川ダムに関し、情報を
要請している。情報が出るのは年明けだそうだ。(前者は9月にボスが
国会の環境委員会で質問してから継続して取り組んでいる問題。』

Q:建設省から情報が伝達されるのににこれほど時間がかかるのはなぜなのでしょ
う。
A:上記はやや特種な(請求した資料が多量な)ケースであることをまず言って
おきます。これまでにありとあらゆる資料を色々な官庁に請求していますが、ダ
ンボールに数箱というような多量の資料以外では、請求から2、3日後までに提
出を受けています。

【裏話】資料を請求すると必ずと言っていいほど「資料をお持ちする時に先生
(議員)に説明をさせてください」と担当役人が言ってきます。その場合、議員
の日程とうまく合えば議員が説明を受け、合わなければ私(秘書)が聞いておい
て議員に説明します。時としてその分野で問題提起をしてきた市民や関心のある
他の議員に立ち会ってもらっています。さて、ここからはよもやま話。

【よもやま話】情報公開に時間がかかる。それは事実。一つには、情報を公開す
るための人員も予算も確保されていないからではないでしょうか。例えば情報自
由法(FOIA:Freedom of Information Act)のある米国では「FOIAオフィサー」
と言って、情報公開をするための人員が各部門ごとに配置されているそうです。
それでも時間はある程度かかります。95年に米国政府に資料を請求したことがあ
ります。資料は忘れた頃に届きました。その代わり、私の欲しがっていた情報を
柔軟かつ綿密にかき集めてくれたことが分かるものでした。
日本にはこのような情報公開のプロが行政の中に存在しません。これでは情報を
出すことは、日常業務の「片手間」にやらなければならない「雑事」であるとい
う意識しか持てないかもしれませんね。国民にとってはそれが「重要な事柄」で
あると思い致せない人もいるかもしれません。また、国民の欲しい情報がどれだ
けどこにあるか、担当以外の人でも外から誰もがさっと把握できるような情報管
理の仕組みがないことも公開を長引かせる要因になるでしょうね。

情報公開法案では、予算や人材や情報管理の仕組みがきちんと議論されないまま
です。それどころか情報公開を請求する人に手数料を求めるというのが政府案で
す。NPO法がせっかく成立したのですから、せめて非営利活動を行なう組織には
手数料を無料にするなどすれば、NPOである利点も意味も生まれ、この分野への
期待感も自負も高まるのではないでしょうか?これは私個人の意見です。

ところで、「吉野川第十堰」に関する一連の資料は、ボス佐藤謙一郎が衆議院の
環境委員会で質問をする前日、建設省の担当が「質問取り」*に来た時に、「こ
れは質問はしませんが、資料として出してください」と言って請求をしました。

*「質問取り」について。官僚側はこれを「レク」と呼びます。レクはレクチャー
(講義・説明する)の永田町式略語です。質問を取りに来るのに「講義する」と
は変な言葉です。さて、これは、国会でいきなり質問されても「答えられない」
というような理由で、前日までに質問をされる側が「何を質問されますか?」と
さぐりを入れ、事前に答弁書を準備することが目的です。国会って変な所ですよ
ね。この「レク」初体験の話もそのうち書きたいです。

ボスは当日、藤前干潟と吉野川第十堰の2つの問題について環境庁、運輸省、建
設省に質問をし、最後に「こちらから出して欲しい資料名をお渡ししていますか
ら出してください」という主旨のことを言って、質問を終わりました。ところが
1カ月くらいしてもその要求した資料が出てこなかった。そこで、「環境委員会
の中で佐藤謙一郎が要求した資料がまだ出てこない。どうなっているんですか?」
と政府委員室(国会議員にとっての行政の窓口です)に電話をかけたら、その日
のうちに、建設省河川局開発課の方が、ダンボール2箱分の資料を抱えて飛んで
きました(「ほぉ、さすがに市民相手と国会議員相手では違うのか」と一瞬思い
ましたが、「違う」のは不愉快ですね。片や国民の代弁者、片は本家本元の国民
ですから。)12月になって追加分を再び請求しました。12月は役所が予算をまと
める忙しい時期です。「年明けでもいいでしょうか?」という連絡が入ってきま
したので、お情けで「いいですよ」と言いました。情報によっては「今日中!」
と注文をつけなければならない時もあるので、普段は極力無理を言わないことに
しています。しかし、またそろそろ催促をしなければなりません。
そうそう、議員を通せば、大概の資料は出てくると感じていますが、運輸省で試
しましたが、「天下り」の資料は色々理屈をつけてめちゃめちゃ出が悪いことが
分かりました。

まさのあつこ
P.S.森様、あと5つの質問にも追ってお答えします。